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横林大々のブログ

小説家、横林大々のツイッターアカウントです。こちらでは横林の宣伝や雑記を掲載します。

でんぱ組.inc、いや、アイドル達は皆ゾンビバスターズだ!!

雑記

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この人もアイドル。

 

 

 

・アイドルという業

 

このツイートをタイムラインで見た時は結構な衝撃でした。

 

田村ゆかりさんと言えば、アイドル声優さんの中でも断トツのトップに立つ女性声優さんです。

自身を「ゆかり王国の姫」と称し、観に来たファンを「王国民」と呼ぶなど、セルフプロデュース力も完璧。

楽曲のクオリティも素晴らしく(個人的にはデイジー・ブルーが好き)まさに唯一無二のアイドル声優です。

見ればかならず勇気を貰うし、元気になるし。王国民たちに幸せを分け与えるのです。

 

舞台上の田村ゆかりさんは本当に楽しそうに歌って、トークも面白くて、みんなを幸せにするって雰囲気で、僕は尊敬の念をいつも感じています。

だって、凄いぜ、「ゆかりん」を請け負う覚悟。人生を「ゆかりん」に捧げている訳ですから。その業たるや、一般の我々、まして僕みたいな若造には計り知れません。

教育実習みたいに、三週間四週間田村ゆかりになれるっていうなら別ですが、一生を捧げるのは、こう言ってはなんですが、正直ゾッとする。

いうなれば自らアイコンに成りに行くようなもので。アイドル声優の代名詞に。そんな存在に進んでなっていく気持ちというのはどんなものなんだろうなあ。

それは、宇宙の果てを考えるような果てしなく底の無い事だ、と僕は思ってしまうのです。

 

だからこそ、上記のツイートを見た時、その、ほんのほんの一片を垣間見たような気がして、なんとも言えない気持ちになりました。

僕達はやっぱり一般人ですから、どこかで日々の生活に嫌気をさしながら生きてゆくもので、その対極にいるのが、そういったステージで笑って踊って歌う人たちで。

そんな人達の姿を見る時だけ僕達は日々の色々を忘れる事が出来る。幸せになれる。

でも、じゃあ、ステージで笑って踊って歌う人たちが日々の生活に嫌気をさしたらどうするのだろう。

誰かの色々を忘れさせる事は出来ても、自分の色々を忘れさせるのは誰がやってくれるのか。

 

自分が辛いときだって、田村ゆかり

苦しいときだって、田村ゆかり

悲しい時だって、田村ゆかり

それでも、ずっと、田村ゆかりさんは、歌う。笑う。

 

「アイドル」という業は重く、そして、おそらくアイコンの中身は残酷なまでに冷たいものなのでしょう。

 

 

 

・ 開口の広くなったアイドル

 

さて。

上記で「田村ゆかり」さんの事を「アイドル」と言っていますが本業はもちろん「声優」。

田村ゆかりさんのwikipediaにも

田村 ゆかり(たむら ゆかり、1976年2月27日 - )は、日本の女性声優、歌手、ラジオパーソナリティ

と第一に「声優」の項目が最初に来ます。

 

しかし、田村ゆかりさんを始め、女性声優さんの近頃の活躍を見ますと、もうアイドルと遜色ないような活動をされている方もたくさんいます。

よく、女性声優さんの熱愛報道なんてものがあると炎上したりするのも、女性声優さんを「アイドル的視点」で見ているからでしょう。

なにか「アイドル」と「声優」のボーダーはあいまいになっているように感じます。

 

更には「アイドル」がテーマのアニメなんてものも最近はたくさん制作されており、なにか「三次元」的なアイドルと「二次元」的なアニメは、グチャグチャと混ざりあってきているように最近は思います。

 

で。

そんな時流ですから、もちろんガラパゴス的な事も起こります。

そう、「アイドル」が「声優」さんに憧れる時代。

「アイドル」になったきっかけが「声優になりたいから」なんてケースも最近ではよくあります。

元AKBのアイドルが声優事務所に移籍、なんてニュースも聞いたりしたものです

 

そして、今回紹介したいアイドルも、そんな今の「二次元」「三次元」ごちゃごちゃ時代を象徴するかのような存在!

 

そう。それが、今回紹介したいアイドルグループの「でんぱ組.inc」。

お勧めしたい楽曲「Dear☆Stageへようこそ♡」と合わせてお話させてください。

 

 

 

 ・でんぱ組.incとは?

 

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でんぱ組.inc(でんぱぐみインク)は、日本の女性アイドルグループ。東京・秋葉原のライブ&バー「秋葉原ディアステージ」をホームグラウンドに活発なライブ活動を展開している。

レーベルは福嶋麻衣子(もふくちゃん)がトイズファクトリーと共同で設立した「MEME TOKYO(ミームトーキョー)」。

(以上wikipediaより引用)

 

とまあ、引用してきたのですが、なかなか「二次元」と親和性の高いグループになっています。

 

例えば、彼女達は経歴や趣味に「二次元的」な部分が含まれています。

彼女達のホームである「秋葉原ディアステージ」は大きな括りで言えばメイドカフェだし、店先はオタクの聖地秋葉原

メンバーの相沢梨紗さんは、ゆかりん含む声優ソングが好きな声優志望さん。

成瀬瑛美さんは少女漫画大好きだし。

藤咲彩音さんはメンバー加入前に「踊ってみた」をニコニコ動画に投稿していた経験あり。

古川未鈴さんはBeatmania IIDX 10段位、ボーダーブレイク最高A1クラス(全然詳しくないのだが、どうやら凄いらしい)。

最上もがさんは元ネトゲ廃人

夢眠ねむさんは美大卒でサブカルに強し。

 

更に、彼女達の曲にも、そういった親和性は現れています。

そもそも彼女達のデビュー曲はパソコンゲームの主題歌(!?)だったりするので、そういった分野へも精通しているようで。

例えばこの曲。


PVに漫画の吹き出し的な要素がたくさん!

 

他にもPVといえば



格好は巫女さんで、歌詞には「イッパイニーハイチッパイグッパイ」! かわかわかわいいですね。

 

そして今回紹介したい「Dear☆Stageへようこそ♡」という楽曲は、彼女達のホームグランド「秋葉原ディアステージ」つまり、「メイド喫茶」を舞台にした楽曲なのです。

そりゃあメイド喫茶が出身なら二次元的な物との相性も抜群だよなあ、なんて話なのですが。

 

 

 

Dear☆Stageへようこそ♡

 

ただ、僕には「メイド喫茶」という言葉には少し苦い思い出があって。

というのも僕が大学一年生の頃に、東京へ旅行した時、思い出作りで行ったメイド喫茶が、まあ、酷い場所だったのです。

 

設定も人によってバラバラだし(ある人は永遠の17歳、ある人は小学五年生と言っていました)、男の人とはお付き合いしないとかいう妖精的なコンセプトかあるのに二次元の旦那は別みたいなのでオススメのキャラを紹介したり、貧乏大学生と見るや足元を見て全く会話をしてくれなかったり、男性はご主人様しかいないという設定なのにボディーガード的なゴツい男性がパツパツの正装でやってきたり、何より料金をぼったくられたり……

 

思いだしてもトホホな経験で、だけどその時醒めた夢もありました。

「ああ、まあ、そりゃあ人間だもんな」と。

絵に描いたようなメイドなんてものは、それこそ二次元の世界にしか出てこないもので、やっぱり現実は退屈でつまらなくて、おおむねこんなものなんだ、と。

人が、それこそアイコンのような、代名詞のような「属性」に成りきる事は出来ない。演じる事は出来ても、そんなものは偽物でしかないんだ。

  

そんな男ですから、この「Dear☆Stageへようこそ♡」にハマれるのかなあ、なんて初めは考えていました。

  

「俺はしがないサラリーマンだ。名前はまあ田中とでもしておこう。

唐突だが、世界はもう終わっちまってる。」

 

それこそまるでミュージカルのように曲中に「セリフ」が入ります。

特に印象的なのは「男性」の台詞。

 

この曲における男性の立場はいわば美少女ゲームの主人公のように自分を投影させる存在。

だからこそ日本一の名字である「田中」という男であり、自らを「しがない」なんて自称します。

 

人生の大半は辛い事で、たまに訪れる僅かな幸せのために人は生きているなんて言うけれど、ありゃ嘘だ。

 

気持ちは分からなくもありません。社会で働けばどうしようもなく辛い事はたくさんある。

 

その、たまの幸せさえ訪れない俺は、まさに生ける屍だろう

そう、この国は俺みたいなゾンビで溢れ返っている。

ミラジョボビッチは現れない。世紀末だ。

救いようがない。

 

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(↑ミラジョボビッチ)

 

この語り草。一時期流行った「やれやれ系」主人公の系譜というか、それが社会人で、くたびれたセカイ系の主人公みたいだからどうしようもありません。

 

と、そんな田中に一つの機会が訪れます

そんなことを考えていると、一人の少女に話しかけられた。

彼女はアイドルをしているらしく、私のお店に来ないかと言って来た。

世紀末に何を能天気な、と思ったが、まあたまにはこういう店も悪くないか、と思い、俺は扉を開いた。

 

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(ちなみに↑写真が実際の秋葉原ディアステージ。一見さんは入りづらい雰囲気)

 

扉を開けると、そこには……

いらっしゃいませ~!

と、でんぱ組incのみんなが。

そして、されるがままに案内される田中。

「え? あ、あの、僕ここに来るのは初めてで、というか普段あまり冒険したりするようなタイプでは、どちらかというと…」

的な言い訳をします。

なんかこの辺も妙にリアル。

そして、「そろそろLIveの時間になります!」に、「いったい何が始まるんだろう」なんてセリフをくと、いよいよ歌が始まります。

 

 

 

・それでもアイドル

 

で、まあ、すごいシンプルな感想を言うと、目頭が熱くなっちゃった。

感動したんですよね、凄く。

 

前述した通り、やっぱりアイドルになるってすっごいしんどいことだし、やっぱり覚悟がいるんだと思うんです。

素の自分は殺さなければいけない場面とかも出てきて。

 

でも、サビでは高らかにこう歌います。

君と 遊び続けたいの

君と 踊り続けたいの

そんな事、アイドルやるって決めた日から一も承知だ、と。

そんなアイコン、代名詞にだってなってやるよ。

とでも言いたげに本当に楽しそうに歌うんです。

 

そもそも僕が「でんぱ組inc」に興味を持ったきっかけは「WWD」という歌で、この歌が本人達の辛い過去とか抱えている苦悩とか、そういうものを歌った歌なのですが。

 



歌いだしが

いじめられ 部屋にひきこもってた

で、いきなり顎に一発くらいますね。

そんな内面との戦いを歌っていた彼女達が、もう「自分達はアイドルというアイコンなんだぞ」と自信満々に歌う様。

少なくとも舞台の上では、それらの過去や苦悩を乗り越えているように思えますね。

 

彼女らは歌う!踊る!笑う!

だって、私達はアイドルだもん、とでも言いたげに。

そこには人生の悲壮感も、自分たちの人生への疑問も何もない!

なんなら、人生や自分のマイナスだってステージの武器にする! 魅力にしてしまう!

 

そこにあったのはアイドルというアイコン、そのものでした。

 

 

 

でんぱ組.incはゾンビバスターズだ!

 

Dear☆Stageへようこそ♡」の劇中には、でんぱ組incたちのこんなセリフが入ります。

広大な広大な宇宙の中の、小さな小さな地球の中の、

小さな小さな日本の中の、小さな小さな君の住んでいる町に、

小さな小さな幸せが舞い降りますように

わたし達は、そんなちっぽけな事しか君のために願えないけど、きっとこの願いは叶うはずだよ

だって、わたし達はでんぱ組inc.だもの これじゃ、理由にならないかな?

  

そこで田中は叫びます!

君達はゾンビバスターズだ!

と。

 

人生なんて糞。

やな事もいっぱいある。

 でも、アイドルと触れている時だけはゾンビじゃなくなれる。

それは、僕達も、そしてきっとアイドル達も同じ事!

 

だからでんぱ組.incは歌います。

明日もDear☆Stageへようこそ♡

 

そして歌の最後は、田中の呟きでしめくくられる。

「そうか、世界はこれから始まるんだね…」

 

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覚悟をもった、アイドル達に馬鹿になった僕達の世界は、その日からまた始まり直すのかもしれません。